残り僅かの時間、自分がすべきことをやり遂げた男
基本データ
2012年10月、「肺カルチノイド」という急性の難病により、41才という若さで急逝した流通ジャーナリスト、金子哲雄さん。
死期を悟った金子さんは、会葬礼状まで生前に用意して、自分の葬儀を自分でプロデュース、自らの死をも「流通ジャーナリスト」としての情報発信の場にしたのでした。まさに、みごとというほかないその最期・・・。
しかし、彼が「余命0」宣告を受け入れて死の準備を整えるまでには、乗り越えなければならない悲しみ、苦しみ、そして何より、最愛の妻を残していくことへの葛藤がありました。
死の1か月前から、最後の力を振り絞って書き上げた本書には、その一部始終が綴られています。
【担当編集からのおすすめ情報】
金子さんのマネージャーから担当編集者宛てに、「金子さんが肺カルチノイドという病気を患い、もう助からない。本人が会って話したいと言っているので来てほしい」という連絡を受けたのは、亡くなる1か月前のこと。40代で死ぬということがどういうことか、妻に何を残せるのか、気持ちにどんな変化が起きるのか・・・ 金子さんはそれらを書き残したいと言いました。
本書は、明日、命が絶えるかもしれない日々の中で、金子さんが命を振り絞るように綴った最後の著書です。
Amazonから
書名 | 僕の死に方 エンディングダイアリー500日 |
著者 | 金子哲雄(流通ジャーナリスト) |
出版社 | 小学館 |
発売日 | 2012年11月22日 |
- 患者氏名:金子哲雄(1971年頃生まれ)
- 種類:肺カルチノイド
- 発症年齢:40歳頃
- 病歴概要:2010年秋から咳が止まらない。咳止めをもらいに病院へ行くだけ。2011年6月6日、専門のクリニックで末期の肺がんと診断される。6月9日、精密検査。6月20日、肺カルチノイドと診断。2012年10月逝去。
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最初にお読みください
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おススメ書籍の使い方 | がんケアネット以下の文章には、「末期」・「死」などが含まれている場合があります。
「最後まで自分らしさを貫け」:本書のおススメポイント
死去までの最後の一ヶ月間で書かれた書籍。最後まで自分を貫いた気概が伝わる
流通ジャーナリスト金子哲雄氏が、死去までの最後の一ヶ月間で書き上げた作品。
自覚症状、診断、治療の記録、そして自分をプロデュースすることを最後の仕事と決め、生前に、葬儀や戒名などを準備したことが書かれている。
川島なお美さんの生き方に似ているところがあると思う。川島さんも最後の最後まで、女優らしく自らの生き方を貫いた。金子氏は流通ジャーナリストとして仕事と治療をぎりぎりまで両立させ、最後の一ヶ月間でこの作品を書き上げた。
特に、彼の死の直後、金子氏の妻が悲嘆にくれることもなく、彼が残した・用意したことを始めねばならないと、すぐに行動した点は敬服する。まさに死を前に、何を残し、何を用意したかが本著には書かれている。残った人々をどう考えるか。オススメです。
このような方、このような時に
- 死後についていかにふるまうかを考えたい
- 肺カルチノイドの治療について知りたい
- 自分の生き方を最後まで貫くとは?
一部抜粋
下線は私自身によるものです。
通夜・告別式の会葬礼状として、著書が生前に書いたもの
このたびは、お忙しい中、私、金子哲雄の葬儀にご列席賜り、ありがとうございました。今回、40歳で、人生における早期リタイヤ制度を利用させて頂いたことに対し、感謝申し上げると同時に、現在、お仕事等にて、お世話になっている関係者のみなさまに、ご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。申し訳ございません。
もちろん、早期リタイヤしたからといって、ゆっくりと休むつもりは毛頭ございません! 第二の現場では、全国どこでも、すぐに行くことのできる「魔法のドア」があると伺っております。そこで、札幌、東京、名古屋、大阪、松山、福岡など、お世話になったみなさまがいらっしゃる地域におじゃまし、心あたたまるハッピーな話題、おトクなネタを探して、歩き回り、情報発信を継続したい所存です。 今回、ご縁がございまして東京タワーの足下、心光院さまが次の拠点となりました。
「何か、面白いネタがないかな?」と思われましたら、チャンネルや周波数を東京タワー方面に合わせ、金子の姿を思い出して頂けましたら幸いです。
この度、葬儀を執り行うにあたりまして葬儀社のセレモニーみやざき 宮崎美津子さまには生前より真摯に相談にのって頂きました。また、自分の歩んできた道とゆかりのある港区東麻布を終の住処とすることをお許し頂きました、浄土宗 心光院御住職戸松 義晴先生には公私に渡り、死生観などのアドバイスを頂戴しました。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
最後になりますが、本日、ご列席下さいました、みなさまの健康とご多幸を心よりお祈りしております。
4年間、お世話になり、ありがとうございました。
急ぎ、書面にて御礼まで。
平成24年10月1日 流通ジャーナリスト 金子哲雄
引用:巻末
この書籍の目次
読んでくださる皆さまに 金子稚子
プロローグ 突然の宣告
第1章 流通ジャーナリストと名乗って
第2章 昼も夜も時間が足りない
第3章 発病。あふれてしまう涙
第4章 最後の仕事は死の準備
エピローグ 生涯無休:
あとがき「これは、金子が用意した「スタート、です」――夫と併走した500日 金子稚子会葬礼状