公開日:2022年7月25日 | 最終更新日:2023年12月17日

「国立がん研究センターのがんの本」シリーズはおススメ こころや身体に痛みやつらさがあれば、是非とも一読を

基本データ

がんと生きるための、心と体の苦痛のケア

がん療養中・治療後の一日一日を穏やかにすごし、自分らしい生活をするために。さまざまな心の苦しさや、がんの痛み、副作用のつらさなどをきちんとケアすれば、質のよい生活が送れます。

本書では、がん患者の心のケアを行う「精神腫瘍科」の医師と、がんに派生する体の苦痛をケアする「緩和医療科」の医師の協力を得て、そうした問題の相談先、セルフケアの方法、専門的ケアの受け方などを紹介。実際の患者の事例も多く紹介します。

がんの痛みに耐えかねて「いっそ安楽死させてほしい」と言った著名人がいましたが、適切な緩和ケア、精神的ケアを受けられればそうした人は減るはずです。

緩和ケアへのよくある誤解(終末期のもの、鎮痛用麻薬で中毒になる)を解き、早期からのケアについて紹介します。
・自分でできる、心や体のケアの方法
・心のケアの専門家と、専門的ケアについて
・体のつらさに対する緩和ケアと、早期からの緩和ケアの受け方
・さまざまな相談先について
・実際の患者さんの悩みと対処の事例

Amazonから
書名国立がん研究センターのこころと苦痛の本:こころと体のつらさを和らげるためにできること (国立がん研究センターのがんの本)
著者清水研
出版社小学館クリエイティブ
発売日2018年2月22日
  • 患者氏名:***
  • 種類:***
  • 発症年齢:***
  • 病歴概要:***
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最初にお読みください

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おススメ書籍の使い方 | がんケアネット

以下の文章には、「末期」・「死」などが含まれている場合があります。

おススメポイント

こころの痛み・がんの痛み・24個の事例集 「いたみ・つらさ」には、この一冊で

小学館クリエイティブの国立がん研究センターシリーズは患者や家族が知りたいと感じている情報を教えてくれる極めてオススメのシリーズだ。

国立がん研究センターのがんの本 | 書籍 | 小学館

「精神的な悩みやつらさなどのこころの痛み」・「がんそのものによる痛み」・「事例集」の3つを柱とする。幅広い内容、知っておくべき内容が網羅され、特に本著は24個もの事例集がある。非常に参考になる。

下記の目次の項目を見ていただくだけでも、参考になると思う。

このような方、このような時に

  • がんの痛みを知りたい
  • がんと心の関係が知りたい
  • 具体的な「心の痛み」の対処法は何か知りたい

この書籍の目次

基礎知識

がんは深刻な「心の危機」でもある
「緩和ケア」は終末期だけのものではない
大切なのはQOL(生活の質)
医療用麻薬はけっしてこわくない

第1章 さまざまなこころの苦痛と、その相談

心の苦痛を測る、伝える
がんの経過と、心の危機が生じやすい時期
経済的な問題、社会との関係

コラム 余命の不安とACP (アドバンス・ケア・プランニング)

Case A 告知のショックから立ち直った例
Case B 告知のショックに耐えられず、専門的ケアを利用した例
Case C 化学療法への恐れと体のつらさが心に影響した例
Case D 孤独感を感じ、 患者会を訪れた例

第2章 こころの悩みに対する方法

がんと心の関係でわかっていること
精神経瘍科は家族も受診できる
心の問題を解消するには
[情報を調べる] 「がん情報サービス」
〔相談の窓口〕 がん相談支援センター
心のセルフケア
心がつらいときに頼る相手
医療者とのコミュニケーション
患者どうしの支えあいの場
専門的な心のケアを受ける
(心の専門的ケア) カウンセリング
(心の専門的ケア) 薬物療法

コラム 小さな子どもに自分の病気を伝える
コラム 新しい世界観で生きていく…傷ついた心の成長

Q&A
向精神薬を飲むと性格が変わってしまうのではないですか?
向精神薬はいちど服用を始めると、やめられなくなってしまうのではないですか?
問題が漠然としていて、うまく相談できそうにありませんがカウンセリングを受けてよいのでしょうか?
カウンセリングの先生は若くて、がん体験者でもない。わたしの苦痛をわかるとは思えないのですが?

第3章 こころの苦痛と関連する、体の苦痛

体のつらさに対する緩和ケアとは

コラム 麻薬中毒にならない理由

緩和ケアを受けられる場所
痛みのしくみと、痛みをとる薬

コラム 衣服が振れても痛い? 痛覚過敏とアロディニア

痛みを伝える、セルフケアをする
吐き気の原因とケア
だるさ(倦怠感)とそのケア
むくみ(浮歳)とそのケア
体のしびれ、しびれに似た違和感
呼吸困難感を和らげるケア

Q&A
がん治療を受けながら、緩和ケアも受けられますか?
入院している病院に緩和ケアチームがないときは?
がん治療はもういいので痛み止めだけ欲しいのですが、一般病棟にいてはいけませんか?
緩和ケア病棟の空き待ちの間は、どうすればよいでしょう?
在宅緩和ケアで、十分に痛みはとれますか?
医療用麻域は中毒になりますか? だんだん効かなくないすか?
激しい痛みで眠ることもできず、もう何も希望が見いだせません。 医療用で安楽死できますか?
夜に意味不明のことを言ったり暴れたりしたらしいのです。 医療用麻薬による中毒なのでしょうか?

第4章 実際の患者さんの事例から 

Case1 心と体の問題 「再発の恐れ」にとらわれてしまう
Case2 心と体の問題 吐き気やだるさ、食欲不振がひどくて意欲がわかない
Case3 心と体の問題 脱毛が始まって、人前に出たくない
Case4 心と体の問題 「身の置きどころがない」という感覚におそわれる
Case5 心と体の問題 「ほんとうにこの治療法でよいのか?」 再発し、疑念がわく
Case6 家族・知人との関係 家族や友人の間で自分だけが死を抱え、孤独だ
Case7 家族・知人との関係 家族についあたってしまう
Case8 家族・知人との関係 療養方法に口を出されて困る
Case9 家族・知人との関係 知人から体調のことなどをあれこれ聞かれる
Case10 家族・知人との関係 がんになったのは生活習慣が悪かったからだと言われた
Case11 医師との関係 医師の告知のしかたがあまりに冷たすぎる
Case12 医師との関係 治療法を選ぶように言われて困惑
Case13 医師との関係 体の不調を伝えたくても担当医が忙しそうで言いづらい
Case14 医師との関係 治療をしても痛みがとれず担当医を信用できない
Case15 医師との関係 抗がん剤をやめたいが担当医に言い出せない
Case16 医師との関係代替療法を試しているが担当医に秘密にしている
Case17 看護師との関係 長びく入院がつらくて看護師にきつくあたってしまった
Case18 看護師との関係 看護師の態度がどうしても許容できない
Case19 看護師との関係 退院後の生活の相談を切り出せない
Case20 看護師との関係 看護師と家族がうまくいっていない
Case21 死をめぐる思い 死が頭から離れない
Case22 死をめぐる思い 家族を残して死ぬことがつらい
Case23 死をめぐる思い もう死んでしまいたい
Case24 死をめぐる思い 死にたくない。死んでいくのがこわい

医師の説明を理解するための用語集

さくいん

事例が豊富 がんのつらさや痛みで悩んだときは