公開日:2022年7月29日 | 最終更新日:2023年12月17日

がんになったとき、子どもにどう伝えるか、子どもをどう支えるか

基本データ

年間5万6143人、子を持つすべてのがん患者と関係者に捧げる希望の書。2015年、日本国内の子どもを持つがん患者の推計が初めて公開された。国立がん研究センター中央病院のデータだけを見ても、がん患者の内およそ4人に1人が当てはまる計算だ。

子どもに自分の「がん」のことを伝えるのか、伝えないのか。伝えるとしたら、どう伝えればいいのか。親が「がん」になった子どもを、周囲はどのようにサポートしていけばいいのか。これがいま、大きな課題となっている。

本書では、「がんになった親」が「子ども」にできることは何かという観点から、専門家がアドバイスする。2人に1人が「がん」に罹患する時代、必携の1冊。

Amazonから
書名がんになった親が子どもにしてあげられること
著者大沢かおり
出版社ポプラ社
発売日2018年2月9日
  • 患者氏名:***
  • 種類:***
  • 発症年齢:***
  • 病歴概要:***
  • タグ・ジャンル

参考サイト

最初にお読みください

このサイトの書評を初めて読む方は、「おススメ書籍の使い方をまず一読ください。

おススメ書籍の使い方 | がんケアネット

以下の文章には、「末期」・「死」などが含まれている場合があります。

おススメポイント

年齢に応じた伝え方がある

がんになったことを、何をどこまでどうやってこどもに伝えるか。ソーシャルワーカーとして長年、様々な年齢、様々な状況のがん患者とその家族を見守った著者ならではの視点で、年齢別に応じた方法を端的にまとめている。また、治療が進んだ後、終末期での子どもへの接し方なども記載。

私も一読後、死後の家族へのケアの準備が必要だなと痛感した。

このような方、このような時に

  • 子どもがいるがん患者
  • がんになったことを、子どもにどうやって伝えるかを知りたい
  • 親ががんだと告げられた子どもをどうサポートしていくか知りたい

この書籍の目次

  • すべての項目を列挙しています。
  • 書籍ではchapter5 の項目は巻頭では伏せられています。

Introduction どの選択も、間違いではありません。

「がん」になったあなたへ
大事なのはあなたのペースを守ること?
不安は打ち明けてもいい
体の痛みやつらさを軽減する
あなたの「がん」を、子どもに伝えるかどうか

Chapter 1 子どもに伝えたほうがいいの?

子どもは気づいている?
「教えてもらえないのは、私が悪い子だから?」
「私も家族の一員として認めてほしかった」
「がん」は得体の知れない「モンスター」?
伝えたくないという葛藤
親の「がん」は子どもにとってつらいだけのもの?
伝えるかどうかの決断
できるだけ早く伝えることのメリット
情報の洪水から子どもを守る
ショックを乗り越える子どもたち

Chapter 2 子どもへの伝え方ー基本編

ひとくくりにはできない「子ども」たち。
はじめに伝えたい3つのポイント
なぜ「がん」という言葉を使うの?
「治療」について具体的に説明する
「答え」よりも「質問できる環境」が大切
「治療」によって何が起こるのかを説明する
予期せぬことが起きても「秘密」にしない
「どんな時も、あなたの世話をしてくれる人がいる」
お子さんにとっては「あなた」がいちばんの相談相手

Chapter 3 子どもへの伝え方―発達に応じて

お子さんの発達に応じた伝え方を考える
・赤ちゃんから3歳くらいまでのお子さん
・小学校入学前の幼いお子さん
・小学校入学前の幼いお子さんでストレスがある場合の反応
・小学生くらいのお子さん
・小学生くらいのお子さんでストレスがある場合の反応
・思春期のお子さん
・思春期のお子さんでストレスがある場合の反応

伝えたあとの日々

コラム 「死んじゃうの?」 と聞かれたら。

Chapter 4 周りにサポートを求める

最初に頼るべき人は?
子どものためになる相談先は?
誰にどこまで伝えるか?
「助けて」と言える環境をつくる

コラム その「善意」は誰のため?

Chapter 5 に進む前に

Chapter 5

あなたが遺してあげられるもの
本当にこの情報を求めている方のみお読みください。
残された時間
レガシーワーク(思い出づくり)
何をどこまで伝えるか
死が訪れる時期とアプローチの違い
子どもの悲嘆(グリーフ)とその特徴
遺される家族は何を思い、生きていくのか

Conclusion 「がん」になったからこそ

Information 「がん」と向き合うために必要な情報

がんになる前に知っておきたいこと:「がん」になったとき、子どもに何をどこまで、どうやって伝えるか、その後どうサポートするか