「デジタル遺品」 誰もが知っておくべき時代となった
基本データ
各局の情報番組で特集され、話題沸騰の「デジタル遺品」問題。トラブル事例から対策までを網羅した1冊!
高齢者のパソコン利用率上昇に伴い、今急増しているのが家族が急死したときの「デジタル遺品」トラブル。パソコン・スマホには、写真・文章・動画などのデジタルデータを始め、SNSのアカウント、各種パスワード、ネットバンキングに預けたお金、ネット証券株など、個人のあらゆるプライバシーと資産が詰まっている。
<デジタル遺品トラブルとは?>
例1「不倫ノート」トラブル “愛妻家”として知られた夫が遺したパソコンの、「シークレットファイル」フォルダをクリックすると、愛人との2ショット写真が何百枚も……。しかもそれはすべて夫婦旅行で行った場所! 私との旅行は不倫の「下見」に使われていた。
例2「突然の多額負債」トラブル 夫がFX取引をパソコン内でやっていたことを知らず、夫の亡くなった日から3日後、「外国通貨の相場急変で損失が発生した」と証券会社から1500万円の請求が……。
例3「乗っ取られたアカウント」トラブル 夫が趣味で運営していた人気のブログを、亡くなったあともそのまま残しておいたら、アカウントを乗っ取られ大事なサイトをスパムの基地にされてしまった。
例4「悲しいヌード写真」トラブル 友人から、亡くなった娘のヌード写真がネットに流れていると連絡が。あわてて確かめると、20歳の記念に友人と撮ったらしい写真で、漏洩元はデータをきちんと削除したはずのSDカードだった。しかしネットに流れた写真を回収することはできない。
これらの悲劇を防ぐには、どんな対策や生前整理の方法があるのか? 個人情報管理のスペシャリストであり、終活カウンセラーの資格も持つ著者が、多角的な視点から徹底解説!
Amazonから
書名 | 「デジタル遺品」が危ない: そのパソコン遺して逝けますか? |
著者 | 萩原栄幸 |
出版社 | ポプラ社新書 |
発売日 | 2015年10月1日 |
- 患者氏名:***
- 種類:***
- 発症年齢:***
- 病歴概要:***
- タグ・ジャンル
最初にお読みください
このサイトの書評を初めて読む方は、「おススメ書籍の使い方」をまず一読ください。
おススメ書籍の使い方 | がんケアネット以下の文章には、「末期」・「死」などが含まれている場合があります。
おススメポイント
誰しも困るデジタル遺品 まずは基本をこの一冊で
「デジタル遺品=遺族が管理するもの」ではあるが、本書は、遺族はもちろん、死を迎える本人がしておくべきことについて多く述べられている。パスワードの管理方法、秘密の質問の設定方法は参考になった。
第3章「遺族になったときにすべきこと」は、デジタル遺品の整理・処分の流れが一通り書いてあり、遺族・本人とも一読する価値がある。著者は日本セキュリティ・マネジメント学会常任理事。
デジタル遺品に対する自身の準備、遺族としての基礎知識を知るにはこの一冊をまず一読したい。
こんな方へ
- デジタル遺品があるが、どうしたらいいのか知りたい
- デジタルで遺品が多く残りそうだが、同準備しておけばよいのか知りたい
一部抜粋・読後の私のメモ
パスワードについて
そこで私が提案したいのは、「A:絶対に重要なパスワード」「B:2番目に(そこそこ)重要なパスワード」「C:他人に盗まれても実害のない、あっても極めて軽微なパスワード」の3つに分けて管理することです。
p70-
以下、私のメモ
- Aランクのパスワード:
絶対に漏れてはいけない最重要パスワード&ID。例えば、8桁のパスワードの場合には「英字の大文字+小文字」「特殊文字」を組み合わせて作る。また意味のある単語、地名、人名、誕生日、車のナンバー、奥さんのニックネーム、住所、電話番号の数字列などを流用してはダメ。 - Bランクのパスワード
ネットショップAなら1,4,7
ショップBなら2,5,8
有料サイトCなら3,6,9
ショップDなら4,7、A
有料サイトEなら5、8、B
(例)母体文字列5文字 %K8&n
規則追加文字を2、3、5文字目の前に追加する。
ショップA 追加文字1,4,7 よってパスワード %1K48&7n
ショップB 追加文字2,5,8 よってパスワード %2K58&8n
ショップC 追加文字3,6,9 よってパスワード %3K68&9n
- Cランクのパスワード
単純で、覚えやすい文字列。パスワードはすべて「12345678」、IDは「abcde」にする。Cにカテゴライズされるパスワードなら、万一盗まれても実害がないため、すべて同じにしてもいい。
秘密の質問の設定方法
よく考えてみましょう。そもそも「秘密の質問」とは、どんな存在なのでしょうか。私は、「パスワードの一種」だと考えています。
引用:p81-83
(中略)
あとはどのウェブサイトであっても、どんな質問であっても答えは一つでいいのです。先の例なら、「母方の旧姓は何ですか?」という質問に「私は富士山が好き」と入力するだけ。質問の内容と回答の内容が合わなくてもいいのです。答えが”単語”として登録されている以上、それが正解なのです。
この書籍の目次
はじめに
第1章 「デジタル遺品」がこんなに危ない トラブル7例
第2章 すべてはパスワードから
第3章 遺族になったときにすべきこと
第4章 何を遺し、何を伝え、何を(こっそり)処分する?
付録「デジタル遺品」対策便利ツール・参考サイト
おわりに
一般社団法人 終活カウンセラー協会について