知っておきたい。「遺された家族の悲しみはどのようなものか」「遺された家族の悲しみの予防はどうするか」
基本データ
最愛の妻をがんで失った著者を待っていたのは想像を絶する悲しみだった。
毎晩あびるほどの酒を呑み、ひたすら泣き、自死も考えた……最悪の状態を脱したがん専門医が、同じ苦しみにいる人たちに贈る一冊。
死別の悲嘆は、どのようなかたちであらわれるのか。そこから立ち直るためのグリーフワークとは何かを丁寧にひもとく。
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書名 | 悲しみの中にいる、あなたへの処方箋 |
著者 | 垣添忠生(国立がんセンター名誉総長) |
出版社 | 新潮社 |
発売日 | 2011年1月31日 |
- 患者氏名:***
- 種類:***
- 発症年齢:***
- 病歴概要:***
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最初にお読みください
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おススメ書籍の使い方 | がんケアネット以下の文章には、「末期」・「死」などが含まれている場合があります。
おススメポイント
想像以上の強い悲しみを経験した著者。経験者・医師として教えるわかりやすいグリーフケア
最後にありがとうと言える人生を送りたいと誰しも思うだろう。幸せな最期になれば、残った人々の悲しみも予防できる。遺族の悲嘆を予防(グリーフケア)するという視点から本書を読んでおくことは非常に重要だ。
妻をがんで亡くし、一時は酒浸りになり、自ら命を絶とうと考えたこともあった著者(この経緯は「妻を看取る日 ー 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録 | がんケアネット」を参照」。国立がんセンター総長まで務めた著者が、死別の悲しみについて、死別悲嘆の経験者・医師として、様々な角度から具体的に教えてくれる。
巻末には参考文献・参考サイトも掲載されている。
このような方、このような時に
- 遺された家族の強い悲嘆を予防したい
- グリーフケアとはどういうものか
この書籍の目次
はじめに
第1章 永遠に分かれるということ
第2章 死別の悲しみの諸症状
ショック・感情のマヒ/否認/怒り/思慕/寂しさ/孤独感・疎外感・公開・罪悪感・懲罰意識/不安・恐怖/逃避・依存/ちらつき現象
第3章 こじれた悲しみの危険信号
複雑な悲嘆/フラッシュバック/パニック障害/絶望・うつ/からだの異常/純粋な悲しみ/悲嘆のプロセス
第4章 哀しみの中にいる、あなたへの処方箋
悲しみを癒す作業/積極的に涙を流す/言葉にして苦痛を吐き出す/ひとりで苦しまない/サポートグループ・カウンセラー、医師の援助を受ける/生活の負担を減らしてしっかり悲しむ/区切りのセレモニーを行う/自分なりの死生観をもつ/からだを動かす/ていねいに暮らす/故人とのあらたなつながりをもつ
日野原重明先生の特別講義
アルフォンス・デーケン先生の特別講義
おわりに
参考文献等
悲しみを抱く人々のためのサポート情報