公開日:2019年8月10日 | 最終更新日:2023年10月26日

食道がん抗がん剤1回目(FP療法)の入院中から便秘は続いていたが、退院4日目からひげが生えず、退院12日目に髪の毛がどっさりと抜け始めた。いよいよである。同時に放射線照射の副作用も連続して始まっていたが、これについては「食道がん放射線療法副作用の顔ぶれ」に書いた。

抗がん剤開始3日目から、便秘が17日間続いた

2019年7月22日の抗がん剤開始から3日目には便秘が始まっていた。結果として、その後、17日間続いた。

私は便通は良い方で、毎朝だ。少し不調になれば、食物繊維の塊であるオールブラン約50グラムをヨーグルトに混ぜて食べれば、すぐ元に戻る。だから、それまで便秘になったことがなく、便秘の悩みというものがまったくわからなかった。便秘の怖さなど知るはずもなかった。

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それが、抗がん剤開始日から4日間は便意そのものが無かった。5日目にやっと便意があったが出ない。もちろん便が出やすくなるような薬はもらっていた。6日目になっても出ずで、生まれて初めて浣腸をやって、やっと少しだけ出たが全盛期の量ではなかった。

退院後も、便秘のままだ。入院中に看護師さんから便秘の怖さを聞いていた。摘便しなければならなくなると聞いたときは、退院してから誰にやってもらうのか、とも考えた。

そこで、浣腸をドラッグストアで購入。入院中に浣腸をやって出たので、この成功体験から退院後も出るだろうと期待していた。3日間くらい出なかったので浣腸をやった。しかし、出ない。このときは焦った。かなり焦った。摘便が頭をよぎった。

その後、何度か浣腸をトライすることを繰り返して(繰り返すものではないと思うが)、出るようになった。

結果として、便秘状態は17日間続いた。8月に抗がん剤2回目をやるが、そのときも17日程度で便秘は終わると予測できたのが不幸中の幸いだった。

いつ終わるかわからない便秘。いつかは元に戻るとは思っていたが、これほど出ないと日々不安になる。副作用はどれもいつ始まって、いつ終わるかわからない。そこが一番つらい。

抗がん剤開始11日目から、ひげが生えなくなり、19日目から脱毛開始

ひげは濃い方ではないが、シェーバーで毎朝、剃る。毎日剃らないと気持ちが悪い。

それが、抗がん剤を開始してから11日目(2019年8月1日)の朝にひげがほとんど無いことに気付いた。翌12日目には、ひげは生えないと確信した。顎のあたりはいつもと違って爽やかだが物足りない。この日に、あぁ抗がん剤の副作用だなと考えたが、まったく予兆はなかった。

髪の毛が頭から落ちた

髪の毛
全体をぼかしました

そして、抗がん剤を開始してから19日目(2019年8月9日)の朝、枕の下あたりに髪の毛が散乱していた。

あまり見せるべきものではないので写真は少しぼかしたが、文庫本の大きさとかき集めた髪の毛の量を比較してもらえればと思う。

今、思えば、よくこんな一大事に写真撮影して、比較のために文庫本を並べたものだと思うが、これが朝の時点だ。夜になって、洗髪するために髪の毛をかき上げると、抜けるというよりも落ちる感じでびっくりするほど抜けた。シャワーが終わっても、身体中に髪の毛がこびりついてまとわりつく。鏡を見るのが怖かった。

自分で抜くのは怖かったので、散髪屋さんに抜いてもらった

その晩、「明日、散髪に行こう。そこで、抜けるだけ抜いてもらって、さっぱりさせよう」と決意した。

翌日の2019年8月10日(土曜)、いつもの店で事情を話し、気にせずにカットしてといった。それが下の画像である。こんな写真をウェブで公開するなと言われそうだが、抗がん剤の副作用の記録であり、少しでも参考になればという願いからだけであることを了承いただきたい。

写真で見ると、頭頂部が薄くなっている、白髪交じりである、これらは年相応のデフォルトで副作用ではない。しかし、側頭部は髪の毛を刈り上げてもらったのではなく、抜けた。まばらになっている。後頭部も刈り上げてはもらったが、ここまで刈り上げてくれとは言っておらず、抜けて、まばらになっている。

8月10日のカットの後:左右写真とも背景だけ削除
側頭部が抜け落ちている:左右写真とも娘が撮影

なお、この写真は散髪直後(抜け始めて2日目)であり、この時点では、まだまだ髪の毛は残っている。序の口であり、脱毛はその後も続いた。

抗がん剤をやる前に髪の毛は剃っておくのも良いかもしれないが、当時も今も、そこまでの勇気は私にはない。髪の毛は本当に抜けるかな、もしかしたら少しだけかも、と思っていた自分がいた。

ほぼ脱毛すると言われても、自分は大丈夫だろうと思い込む。これが正常性バイアスという人間が持つ性質だ。

今、思えば

抜けたことよりも、本当に髪の毛が落ちたことに強いショックを受けたと記憶している。

読書しながら、ふとしたことで髪の毛をかき上げると、指の間に髪の毛がびっしり。頭を強く左右に振ると大量に髪の毛が落ちる。まさにそんな感じで恐怖を感じた。だからこそ、自分でやるよりも、遠慮しないプロである床屋さんにカットしてもらうことを選んだ。