公開日:2019年7月22日 | 最終更新日:2023年10月17日

食道がん化学療法(FP療法)を始める前に何種類かの書類をもらった。その中で重宝した・役立ったのが抗がん剤の日程を書いた投与スケジュール、そして副作用がいつ頃に始まってどのくらい続くかといった一覧表の2つだ。ここではこの2つについてまとめてみた。

ネットや書籍よりも病院という現場でもらった情報が一番良かった

化学療法を始める前にもらった書類一覧

どの時点でもらったかは記録していないので定かではないが、化学療法が始まる前に次の書類をもらった。ほとんど読んでおいてください、というレベルで詳細に説明などはなかったと思う。

  • 入院診療計画書
  • 患者参画型看護計画
  • 中心静脈カテーテル挿入術 同意書
  • 食道癌化学療法 説明同意書
  • 投与スケジュール(FP療法)
  • FP療法について

入院診療計画書や患者参画型看護計画はいつものとおりのもの。中心静脈カテーテルの同意書は説明もかねて5ページもあったが、いわゆる同意書だ。食道癌化学療法の同意書は3ページ程度で大まかなことしか書かれていない。

食道がん抗がん剤治療に役立った書類が2つ

投与スケジュール

次の投与スケジュール(FP療法)とFP療法についての2つは、なかなか重宝したというか貴重なものだ。参加者しかもらえない。(クリックで拡大)

食道がん抗がん剤投与スケジュール
投与スケジュール(FP療法)
食道がん抗がん剤治療副作用一覧
FP療法について

「投与スケジュール」は文字通り、どのタイミングでどの薬剤がどれくらい入るかだが、時間通りにはならなかった。これはそういうものだろう。初日はメインルートも側管も24時間繋がれたままだったが、2日目以降は半日は両方とも、それ以降は一つだけ。一つだけになったときにほっと一安心する。

このことを書いていると、中島梓が書いた「ガン病棟のピーターラビット」を思い出す。

おかげで点滴の輸液ポンプもなくなり、むろんだいぶ前にある24時間吸引のポンプもなくなり、このポンプがなくなったのはとてもでかいことで、点滴の輸液ポンプはコードで繋がれているので、むろんそれを引き抜いてもバッテリーがあるんだけど、お散歩していてもバッテリー減るのを気にするし、トイレにゆくにもまずコード抜いてから、戻ってきてコード入れたかな、よしみたいな、つねに「ひもつき」状態だったわけで、点滴抜いたら、まだ点滴台はあるんだけど、その点滴台が軽いこと、身軽なこと

引用:p159- 管人間からの生還 2008年1月13日

FP療法について

話が脱線したが、もう一つの書類である「FP療法について」は、何日目から何日目くらいにこんな副作用が出るかもしれない、こんな血液や機能障害があるかもしれないというもの。何日目から始まって何日くらい続くというのが書かれており、非常に参考になる。

ここまでくわしく書かれているものは、ネットでは、そう簡単には見つからないだろう。

注意:FP療法(シスプラチンとフルオロウラシルを使う化学療法)。現在は違うと思うが、2019年当時はこれがファーストラインだった。

私の場合、耳鳴りと脱毛は、ほぼ予想通りの日程となった。ただこれも終わってみたらその通りだったというところが何ともツライ。本人はいつ始まるのかと日々心配なのだが、こういう副作用は突如としてやってくる。予兆など全くない

いずれにせよ、現場の積み重ねでこのような書類はできあがっている。また、最近の吐き気止めなどはかなり有効だと事前にも言われており、そういう薬の発展に伴い、これらの書類はバージョンアップしてきたのだろう。

そう考えると、有益かつ貴重な情報だと思う。そしてこういった情報ほど、がん患者はリアルなものを必要としているはず。だから、私はこのサイトで皆さんの副作用の始まった時期や終わった時期を募集している。ご興味のある方は下記を一読いただければと思う。

あなたの副作用はいつ始まって、いつ終わりましたか? | がんケアネット

今、思えば

上述のように一部の副作用は書類の予想通りであり、まったく違うものもあった。また書類に書かれている以外の副作用もあった。そんなものなのだろう、副作用というものは。

ただ、これは終わったから、経験したから言えるもので、「いつ始まるか」「いつ終わるか」いずれも、患者本人にとっては予想もできず、突然、始まるものなので、精神的にはキツイものがある。

だからこそ、化学療法経験者は、自らの経験をこれから化学療法を挑戦する人に経験を共有すべきだと思うのだが、どうだろうか?