公開日:2020年4月7日 | 最終更新日:2023年8月16日

最初の食道がん抗がん剤から7日目に生まれて初めて耳鳴りになったが、5日間で終わった。その後、2回目の抗がん剤初日から耳鳴りは始まり現在に至っている。化学放射線療法が一段落した2020年初頭から、覚醒している間は常に耳鳴りという状況だ。

2020年の日記は「耳鳴り酷い」ばかり

セミが3匹くらい頭の中にいた(ような気がする)

2019年8月19日の2回目の抗がん剤開始以降、耳鳴りが続いている。「当初書いたように」、2019年はのどの痛みや皮膚のただれなどの他の副作用がひどく、耳鳴りは嫌だなとは感じていたが、強い意識は向かなかった。2020年に入って治療が一段落し、常にある倦怠感と共に浮上してきたのが耳鳴りだ。

生涯忘れることがない場面がある。

娘と買い物で運転していた時、あまりの耳鳴りのひどさに、必死になって車の窓を開けた。頭の中でセミが鳴いているのだが、その時は思わず窓を開けてセミを逃がそうとした。もちろん逃げるはずもなく、突然、窓を開け始めた父親を見て娘は何が起きたのかと思っただろう。

それほどひどい時はひどかった。確実に頭の中に、セミが3匹は住み着いていると確信していた。

2020年4月にMRI検査、異状なし

2020年4月7日は定期検査で胸部CT検査があった。この日に合わせてMRIで脳を調べてもらうことにした。セミがいるかいないかはともかく、あまりの耳鳴りのひどさに脳に転移したのではと考えたからだ。

今思えば、脳への転移の可能性は低く、主治医もあまりにも「耳鳴り、耳鳴り」という私に気をつかってMRIをしてくれたのだろう。

お陰様で、脳に転移などはなく、もちろんセミの画像も出てこなかった

どんな音なのか? それは、ニイニイゼミの鳴き声だ

2022年の夏ごろから「時々、耳鳴りがしない」というときがある。うれしい限りだ。しかし、基本はセミが鳴いている。頭の中心から右側にかけて、右側の耳から、音がする。ほぼ音色は変わらず、セミだ。

主治医に、耳鳴りの状況をリアルに伝えるべく、ネットで探したところ、まさに私と同じ音色を聴いている人を見つけた。

蝉の鳴き声は本当に耳鳴りに似ている? | ある日突然、世界から音が半分消えた 〜突発性難聴治療記〜 と猫とグルメと釣りのブログ

こちらである。このブログで紹介されているセミの鳴き声が以下となる。

ひどい時は微妙に違う鳴き声で3匹も頭の中にいた。結構、しんどいことがわかってもらえると思う。いずれにせよ、見つけたときは「あぁ、ニイニイゼミなのか」と少し感動した。この気持ちも一部の方にはわかってもらえると思う。

今、思えば

2019年夏から始まった耳鳴りも、いつかは治るだろうと思っていたのが、いまだに変化はない。もうあきらめており、生涯付き合うことを覚悟しているが、たまに耳鳴りがおさまった時、「世界はこんなに静かなのだ」と、やはり耳鳴りは無いほうがいいなと思う時がある。

いつの日か、画期的な薬などが出ることを期待して、気長に待つことにする。