公開日:2022年8月2日 | 最終更新日:2023年12月17日

がん患者の体力・筋力低下に「インターバル速歩」

基本データ

放っておくと筋肉は年齢と共に衰え、そのことが原因で免疫力が下がったり、生活習慣病を引き起こしたり、心の健康や、脳の認知機能にまで影響を及ぼすと言われています。とはいえ、筋肉を衰えさせてはいけないとわかってはいても、運動をコンスタントに取り入れるのはなかなか難しい……。

ジムに通い続けるにはお金も必要だし、一人でできないスポーツはその場所や相手を確保するのに手間やお金もかかる、ランニングはいきなり走っても大丈夫か不安……などなど、運動に対するハードルはけっこう高いものです。

そこでウォーキングの提案です。ウォーキングなら家の周りを歩いてもいいし、どこかに行くついでに1駅分歩くこともできるし、すぐにでも始められます。ただ、なんとなく歩くだけでは体力アップはむずかしいことも事実です。

著者は科学的に「どれくらいの速度で」「どれくらいの頻度で」「どれくらいの時間行えば」「どんな効果が得られるのか」を徹底的に研究し明確にしました。その根拠となるのは、20年にわたり6000人以上のデータを取った結果と分析。それがわかりやすく示されているので、なぜどのように体にいいのか、納得できます。

そのようにして確立した、効果的で継続しやすい方法「インターバル速歩」のやり方を紹介。ややきついと感じる早歩きと、ゆっくり歩きを一定間隔で繰り返すだけのシンプルな方法です。

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書名ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方 (ブルーバックス) 
著者能勢博
出版社講談社ブルーバックス
発売日2019年10月17日
  • 患者氏名:***
  • 種類:***
  • 発症年齢:***
  • 病歴概要:***
  • タグ・ジャンル

参考サイト

最初にお読みください

このサイトの書評を初めて読む方は、「おススメ書籍の使い方をまず一読ください。

おススメ書籍の使い方 | がんケアネット

以下の文章には、「末期」・「死」などが含まれている場合があります。

おススメポイント

気を付けたい足の衰え 意味のあるウォーキングを

入院や治療をすると、身体を動かさなくなり、脚力が急に弱くなる。身体の中で最も大きい筋肉が足。足が弱くなれば、身体も弱くなる、さらに体力が落ちる、といった悪循環に陥りやすい。また、告知直後も、精神的ショックで人によっては急に身体を動かさなくなり、食事量も減り、体力が落ちる場合もある。

50代前半の私も、3回目の入院くらいでの急な筋力低下には、驚いた。がん患者には、体力・筋力低下は大敵。そこで、ウォーキングについて科学的に書かれた本書をおススメする。

やり方は次のような感じだ。

  • まず早歩きを3分
  • 休みなしで、ゆっくり歩きを3分
  • 合計6分を1セット
  • 1セット6分を5セット=1日合計で30分間歩く。
  • 1日30分を週に4回程度行う。

現在は行っていないが、私も半年ほど早朝に毎日行っていた。早歩き・ゆっくり歩きを交互に3分ずつで、合計30分間。できる限り、早歩きを3分間連続して、その後、休息の意味合いでゆっくり歩きを3分。ゆっくり歩きが終わったら、早歩きを再開。こんな感じだ。

このウォーキング方法は、本書だけでなく、ネットでも広く紹介されている。従来の、例えば一日一万歩が意味があるかどうかも本書に書かれており、一読の価値はある。

あわせて読みたい

がん患者が筋力を維持するために:ウォーキングのやり方 | がんケアネット

告知で多くの人が精神的にショックを受ける。身体を動かすことが減り、食事の量も減る。そして体力が落ちる。この状態で手術をしても術後の合併症のリスクは高まるだけ。だからこそ、できる限り万全の体調で手術を受けるため、運動・栄養管理・精神面を整える。これがプレハビリテーション。ここも事前にチェックしておいてほしい。

産業医科大学|手術日までの過ごし方 術前から始める準備について

こんな方へ

  • 闘病でかなり足腰が弱ってきた
  • 手軽に、しかし実効性のある運動がしたい
  • 今のウォーキングが正しいか確認したい

この書籍の目次

はじめに
第 1 章 体力とはなにか
第2章 効果的なウォーキング
第3章 「インターバル速歩」をより効果的にする科学
謝辞
おわりに
(巻末付録) インターバル速歩の開発背景
(付表)インターバル速歩の実施記録表
参考文献・出典
さくいん

がんの闘病には、体力・筋力は必須 科学的なインターバル速歩を