公開日:2019年4月4日 | 最終更新日:2024年2月1日

告知から27日後、家族全員が集まり子供たちに私ががんであることを伝えた。私も落ち着いていたが、子供たちも静かに聞いてくれて、30分で終わった。しかし、彼ら彼女たちは少なからず動揺していた様子だった。

がんであると子供たちに伝えるのは30分ほどで終了。私も誰も感情をあらわにしなかった

5人の子供たちそれぞれ表情が違った

今日は2019年4月4日(木曜)、告知から27日経過した。一ヶ月経過する前に子供たちに伝える時間が持てて良かった。

20時半に話し合い開始。みんな静かに聞く(この当時、子供たちは中学生から社会人までいる)。次男は、しきりにうなずいている。娘は終始、笑顔。他の子供たちは神妙な顔つきだ。次のことを伝えた。

  • 2月27日に健康診断をやって、検査で異常が見つかった。
  • その後、精密検査をやって、結論として食道癌ステージ1から2のあいだくらい。
  • 今月15日に入院して、16日に手術。

さらに、私なりに伝えたいことを3つ、話をした。

  • 否認しない:否認という考え方がある。受け入れがたい事実に目を背けて、現実だとは認めないということ。今回のお父さんの話は、「嘘に決まっている・信じられない」などと考えず、事実としてしっかり見つめてほしい。
  • まぁ、いいかはやめよう:これからの毎日で「まぁ、いいか」と、適当にその場しのぎで何かをやるのではなく、できる限り、小さくても良いのでしっかりとやってほしい。その場しのぎの結果が、がんになった原因の一つだと考えているから。
  • お母さんを大切に:その通りで、お願いします。

最後に、妻が何も質問はないかとたずねたが誰も何も言わず。話し合いは、30分ほどで終了し、誰も感情を露わにはしなかった。

その晩は、疲れていたようで、早めに寝て、熟睡した。

実は、動揺していた私

この日は、午前中に大学病院の耳鼻咽喉科へ通院した。食道がん患者は咽頭・喉頭がんにもなりやすいとのことで、内視鏡での耳や喉、鼻の検査をした。問題はなかった。その後、入退院センターで説明を受ける。この時に、問診票の持参を忘れたり、予約票を忘れたりで、いつもと違うミスをやった。

また、帰路に対向車とすれ違う際に、左タイヤを路肩に落としてしまった。今までこんな経験はなく、この時点で、大学病院での物忘れから路肩の件までミスが3回続いた。予想以上に動転しているなぁと、ひとりでつぶやいた。

あわせて読みたい

以下の書籍は、「がんになったとき、子どもにどう伝えるか、子どもをどう支えるか」について書かれたものだ。がんになったことを何をどこまでどうやってこどもに伝えるか。ソーシャルワーカーとして長年、様々な年齢、様々な状況のがん患者とその家族を見守った著者ならではの視点で、年齢別に応じた方法を端的にまとめている。また、治療が進んだ後、終末期での子どもへの接し方なども記載。

書評も併せて一読いただき参考になれば。

がんになった親が子どもにしてあげられること 単行本 – 2018/2/9

がんになった親が子どもにしてあげられること | がんケアネット

今、思えば

子供たちとの話し合いそのものは、混乱することもなく、終わった。

この頃は、私自身が、がんについて未知の世界だったため、ステージ以外の病状はまったく話をしなかったし、できなかった。リアルというか現実がどうだという話ができないということだ。しかし、子供たちは自分でスマホで検索し、どこまでがリアルなのかわからずに、食道がんそのものや生存率などを確かめるはず。これを防ぐことはできないが、申し訳なかった。