公開日:2022年8月4日 | 最終更新日:2023年12月18日

心が穏やかになるエッセイだが、抗がん剤のつらさはリアル。がんが生活を大きく変えたこともわかる

基本データ

「ガンが見つかったのは、退社した矢先のことだった――」

敏腕編集者、会社大好き、そんな著者が思いもよらぬ退社。その一カ月後、ガンを宣告され、突然闘病生活が始まる。「まさか自分が坊主になろうとは。起きてマクラが髪の毛だらけで真っ黒だったあの朝のことは、生涯忘れないだろう」。何も「ない」日々のなかで見えてきた「これから」の生き方。毎日を真摯に生きる全ての現代人に捧げる渾身のエッセイ。

人生最大の苦難を、明日への道しるべに変えた女性。それがミルコさんだ。 (小川洋子)
これを読んで、「山口ミルコ」という生き方を応援しないでいられる人はいないと思う。 (谷村志穂)

Amazonから
書名毛のない生活
著者山口ミルコ
出版社ミシマ社
発売日2012年2月17日
  • 患者氏名:山口ミルコ(1965年頃生まれ)
  • 種類:乳がん
  • 発症年齢:44歳前半頃
  • 病歴概要:2009年1月末:幻冬舎を退職。退職後にアロマフィットセラピストに右胸がおかしいと指摘され、同年4月4日に乳がんと診断。外科手術・放射線治療・化学療法を行った。
  • タグ・ジャンル

参考サイト

がんで見つけた「ほんとうに大切なもの」 ~山口ミルコさんがたどり着いた場所~

最初にお読みください

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おススメ書籍の使い方 | がんケアネット

以下の文章には、「末期」・「死」などが含まれている場合があります。

おススメポイント

ウェブ掲載をまとめたもの 治療と並行して書かれたため、感情の変化や抗がん剤のつらさがリアルに描かれている

出版社の編集者として20年間、仕事を続けていた著者が悩みに悩んで退職。数ヶ月後の2009年4月に乳がんと診断。本著は診断3ヶ月後の2009年7月から2012年1月にウェブ雑誌に連載され、それに日記を加えて再構成したもの。治療と並行して書かれているので、抗がん剤治療中のひどい吐き気など、リアルな辛さが伝わってくる。

全体的に穏やかなトーンのエッセイで、抗がん剤の副作用で苦しむ状況と、その後の様子など、人としての全体の雰囲気がわかりやすい。読みやすく、全体を通じてのトーンに心が穏やかになる。

こんな方へ

  • 乳がんの闘病記で読みやすい書籍を探している
  • 抗がん剤での脱毛の状況を知りたい

この書籍の目次

無職になって
第1章 会社を辞める
第2章 ガンかもしれない
第3章 毛のない生活
第4章 毛のある生活
第5章 まだ何も始まっていない
エピローグ 老木をめざして
あとがき

心が穏やかになる、そして、希望を持てる闘病記エッセイ