食道がんESD入院5日目くらいから、食道の痛みがかなり治まった。精神的にも暇を持て余していた私は、主治医や若き医師に「退院させてくれ」と何度か言ったがダメだった。「規則ですから」「パスがあるから」と医師から言われたが、どういうことかわからずだった。しかし、退院後、クリニカルパス(クリティカルパス)という医療用語があることを知った。「これか!」と思いながら、「教えてよ!」とも感じた。クリニカルパス(クリティカルパス)をあらかじめ知っておくと、まぁ便利だ。
医療でのクリニカルパス(クリティカルパス)とは
クリティカルパスあるいはクリニカルパスという言葉を私は癌になるまで知らなかった。調べてみると従来は、クリティカルパスと呼ばれていたものが、医療用のパスであるため、最近はクリニカルパスと呼ばれることが多いらしい。
クリニカルパスの原型はクリティカルパスに由来しています。このクリティカルパスというのは、多くの契約者が複雑に関わって1つの作業を行うコンピュータ関係・建築関係などの産業界で、1950年代に工程管理のツールとして開発されたと言われています。
(中略)
クリニカルパスは、各医療施設でも標準的な治療計画や検査計画をたてるためのツールとして使われてきましたが、当初は「クリティカルパス」と呼ばれていました。しかし数年前から学会設立などを契機に「医療に関わる」という意味から「クリニカル」になり経路をパスウェイということから併せて「クリニカルパス」と呼ぶようになったようです。
このように「医療=クリニック」からクリニカルパスと呼ばれているようだ。
では、クリニカルパス(クリティカルパス)とは一体何か?以下のサイトがわかりやすい。
クリニカルパス – 広島赤十字・原爆病院公式サイトクリニカルパスとは、入院中の治療・検査の標準的な経過をご説明するための「入院診療計画表」です。従来の入院診療計画書は、手書き書類で入院患者さんにお渡ししていましたが、クリニカルパスでは、ある疾病・検査ごとに、治療内容や検査内容を時系列でわかりやすく、イラストつきで示しています。
クリニカルパス – 広島赤十字・原爆病院公式サイト
簡単に言えば、入院中のスケジュール表だ。入院初日から始まって、退院する日まで毎日何をするか、何を注意するかが詳細にわかりやすく記載されている。これが事前にわかっていれば、その日暮らしになることもなく、あらかじめ何をするかがわかっているため、目標をもって一日を過ごすことができる。
事前にクリニカルパス(クリティカルパス)がわかっていれば、どの日が山場であるかが本人や家族にわかる優れモノだといえる。
クリニカルパス(クリティカルパス)を知っておくメリットは
ご注意ください
このページの内容は私なりの解釈であり、医学的な正確さは不明です。最終的には主治医に確認ください。
クリニカルパス(クリティカルパス)は日程表。入院前に知っておくと便利
クリニカルパス(クリティカルパス)には、次のようなメリットがある。
- 大きな病院はネット上で、クリニカルパス(クリティカルパス)を公表している。自分の治療内容が決まれば、ネット検索で事前に入手できる。
- クリニカルパス(クリティカルパス)はどの病院も似ている。入院する病院が公表していなくても、ネット検索で他の病院からダウンロードできる。
- 事前に入手することで、何日目にどんな検査や治療があるかといった予定がわかる。
- 退院日・入院期間がある程度、把握できる。
- パスで示されている標準的な予定と、現状の経過を比較すれば、経過が順調かどうかわかる
最低でも何日間は入院していなければならないという入院期間、また期間の長さで、身体に与える影響の大きさ(=治療の大きさ・強さ)といったものが把握できる点が素人にはありがたいわけだ。
クリニカルパス(クリティカルパス)の探し方:食道がんESDを例として
次のサイトの真ん中あたりに「クリニカルパス(入院診療計画)」があり、絞込検索で各種クリニカルパスを見ることができる。
患者サポートセンター | 国家公務員共済組合連合会 横浜栄共済病院ここで紹介されている食道がんESDのクリニカルパスが以下の画像(クリックで拡大)。私自身のものではないが、参考までに。なお、どこの病院でも体裁はこのような感じで入院時にもらえるはずだ。

ウェブ検索のときは、クリニカルパスも
忘れずに調べてください。
ここまで説明したように、クリニカルパス(クリティカルパス)は便利なものだ。入院が大嫌いな私の場合、何日後に退院できるか、そしてパスの予定よりも一日でも早く退院することを目標というよりも生きがいに感じて、治療に励んでいた。
今、思えば
がんやそれ以外の病気で治療・入院した方ならクリニカルパスという名前は知らずとも入院計画表は手渡された経験はあるはず。私の場合、食道がんESDの入院では、なぜか何ももらわず。存在も知らずだった。
もし、知っていれば、入院期間を事前に把握できたので、「いつ退院できるかな、明日かな、明後日かな」などと考えずに済んだわけだ。
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