突然、がんと告知されたら、どんな人でも頭の中が混乱します。「心が右往左往するのは当然」です。そこで、「それほど遠くないうちに心は落ち着く」「2、3日以内に死ぬものではない」と、はっきり口に出して自分自身に言い聞かせてみるのはどうでしょうか。ここでは、私が実際にやった心を落ち着かせる方法をまとめてみました。
がんと告知されたらどうなる?
どんな人でも頭の中が混乱する
がんを告知されたばかりのときは、どんな人でも頭の中が混乱し色々なことが浮かびます。今まで、がん患者になるなど考えていた人は少ないはずで、心構えなどありません。
「何で私だけが……」「どうしたらいいのか……」と悲観したり、「検査が間違っているのだろう」「精密検査したら良性だったりして」など自分をごまかす、「嘘だろう……」と否定する場合など。
また、「ついていないなぁ」「やっぱり私は……ダメだ」など、ちょっとしたこともマイナスに考えてしまいます。あるいは「実感がわかない」という方もいます。
私自身も、最初は、「悪性の腫瘍が見つかりました」と言われたので、「腫瘍って何だったかな?」と、深く考えませんでした。あまりにも、日常とがんの世界がかけ離れていて、「悪性腫瘍=がん」と頭の中で直結しなかったわけです。結果として、告知直後に恐怖感や危機感などは感じませんでしたが、今思えば、思考が停止していたのでしょう。
時間の経過とともに落ち着く、と自分に言い聞かせる
心がある程度、落ち着くまでには時間を要するものだと思い込んでください。「心が右往左往するのは当然で普通のこと」です。しかし、心の右往左往は、「それほど遠くない、近いうちに落ち着く」ものです。また多くのがんの場合、「2、3日以内に死ぬものではない」とも言えます。
そこで、「大丈夫、近いうちに心は落ち着く」「2、3日以内に死ぬものでもない」という2点を、はっきりと口に出して自分自身に言い聞かせてください。
私がやった、やっている心の落ち着かせ方
心が右往左往したときに、私がやった、今もやっている具体的な対処法がメタ認知とコーピングです。
メタ認知は、
- 「自分自身を高いところから客観的に見て、今の具体的な状況と、今の感情を、自分自身で解説する」ことをメタ認知と私は定義しています。
- 具体的な状況と感情を解説していると、それをやれている自分は冷静で無我夢中にはなっていないと感じて、まだ落ち着いていると自分自身に言い聞かせ、安心します。
- 実際に何かに夢中になっている場合、そのことだけに意識が向いている自分がいるはずで、周りを何も見ていません。「周りが何も見えていない」という自分を、もう一人の自分が冷静に解説する。それができているだけでも自分は落ち着いているはずです。
コーピングは、
- 日常生活で、ちょっと休憩するときにいつもやることがあるはず。例えば、コーヒーを飲む、付近を散歩するなど。人それぞれ、こうすればリラックスできるといったものがあるはずです。
- これらを心が冷静な今のうちに、それらを紙に書き出して、いつでもすぐに見えるようにしておくだけです。このリストをコーピングリストと言います。
- ポイントは、心が落ち着いているときにできる限り多くのリストを書いておく、どんな時でもどんな場所でも、そのリストが目に付くようにしておくことです。
例えば、心が不安定だなと思ったときに、やることを決めているのと決めていないとでは、安心の度合いはまったく違います。
メタ認知とコーピング、それ以外の心が落ち着かないときに私がやることについては別の記事に書いています。ご覧いただき、少しでも参考になれば幸いです。
心は近いうちに落ち着きます。
「落ち着くまで待ってもいい」です。
ただ、「止まったままにはならない」
でください、こころも身体も。
そのためにも、「心を落ち着かせることを見つけ、
今から準備しておく」と良いと思います。
このページを見て、今からできること
- 告知されたらどんな人でも心は右往左往するものと考えておく
- 心の右往左往はそのうちに落ち着くし、明日明後日に死ぬものではないと自分に言い聞かせておく
- メタ認知に興味がある方は、今から練習してみる
- コーピングがいいなと思った方は、今から準備しておく
- がんや告知に関係なく、自分なりのストレス回避策・心を落ち着ける方法を今から決めておく