公開日:2022年8月15日 | 最終更新日:2023年12月15日

まず心を落ち着かせる。その状態からウェブで情報を検索する。しかし、ウェブで調べようにも「どこをみればわからない」「調べたけれども情報があり過ぎる」「怖くなった」など、また心が不安定になりがちとなる。私の場合、生存率の低さに怖くなった。そこで、見るサイトを最初に決めてからそこだけで情報を得ることを強くおススメしたい。

ウェブ検索をする前に知っておくべきこと

人間は、無意識に都合の良い情報ばかり調べてしまう:確証バイアス

突然、告知された場合、いくら日ごろ使っているウェブとはいえ、調べ方さえわからない未知の世界。夢中で調べていると、知らないうちに「都合の良い情報ばかり」を探してしまう、あるいは「都合の悪い情報ばかり」が目に付くようになってしまう。

この都合の良い情報ばかりを調べてしまうことを、確証バイアスと言う。

確証バイアスとは、自分にとって都合の良い情報ばかりを無意識的に集めてしまう傾向のことをいいます。 人間は誰しも「自分が正しい」と思いたい心理を持っているので、自分の考えを否定するような情報は無視してしまうようになります。

「確証バイアス」とは? 具体例&回避法を詳しく解説【心理学】|「マイナビウーマン」
「確証バイアス」とは? 具体例&回避法を詳しく解説【心理学】

私の場合

外科手術にするか、化学放射線療法にするかを決めるとき、当初は外科手術にしようと考えていた。その時点で、外科手術の良い事例ばかりをウェブで調べ、抗がん剤は大きなダメージを与えるという悪い情報ばかりを検索。何かのきっかけで、やはり化学放射線療法にしようと決めた途端に、外科手術よりも化学放射線療法の方が優れていると書かれた情報ばかりを検索していた。

どちらも、自分の考えが正しいと肯定する情報を探し、否定的な情報を見ないようになる。今後の人生を大きく左右する治療法についてでも、人間というものはこんなふうになりがちだ。

私のウェブ検索のやり方

情報源をできる限り絞り込む

このような偏ったウェブ検索を避けるためには、次のような視点が必要となる。

例:食道がんステージⅠとⅡを調べたい

例えば、私の食道がんを調べる場合は、食道がん がん情報サービス」といった検索語句でスタートし、食道がん全体について把握します。未知の世界なので、まず全体像を把握しなければならないからだ。

本来は「ステージⅠとⅡとは、それぞれどういうものかを調べたい」わけだが、まずは落ち着いて全体像を読み終える。

食道がん:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

次に、同じサイト内の治療に関する項目について、再度、読む。

食道がん 治療:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

ここで、

  • 図2の「食道がんの深達度」から、T1a・T1b・T2あたりが自分に該当する。
  • 転移はない可能性が高いと言っていたから、表2から、ステージはⅠかⅡだなと確認。
  • 「2)治療の選択」を読むと、ステージ0が内視鏡手術、ステージⅠが外科手術か化学放射線療法、ステージⅡは外科手術だなと確認。
  • ステージⅠの治療で、”化学放射線療法は手術と同じくらいの治療効果が得られるという報告があります。”と書かれている。だからどっちなのだと疑問点としてメモする。
  • 「図4 食道がんの治療の選択」で、”日本食道学会編「食道癌診療ガイドライン 2017年版」(金原出版)より作成”と記載されているため、このガイドラインを検索する。
  • ここまでで、30分経過なので一旦、休憩。

  • 休憩後、以下のサイトに、ガイドラインそのものがあり、これをブックマーク。
食道がん

このような感じとなる。「がん情報サービス」の図表に似たものは、実際の診察でも主治医から渡された。

上記の流れは、治療法を決定するまでには至っていないが、以下のような結果を得られる。

  • あらかじめ信頼できるサイトとしてがん情報サービスに絞る。
  • 全体像・どんな治療方法があるかをサイト内で把握。
  • 検索中に得た情報として「日本食道学会で作成された食道癌診療ガイドライン」の概要を読むことで、正確で、かつ素人には十分すぎる情報を得られる。

実際にアクセスすべき情報源は?

私が今までの3年半の中でアクセスしたおススメのサイトは次のページにまとめた。ご一読いただき、参考になればと思う。